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バーチャル空間が“メタバース”として新たな生息空間となる時、“メタバース”での行動や交友関係は、“実空間”における私たちの意識、意思決定、時間やお金の使い方にどのような影響を与えるようになるのでしょうか？本研究では、ソーシャルVRと呼ばれるサービスのヘビーユーザーを主に対象としながら、近い将来の生活者意識について研究しています。

現代生活者にとって、従来のPaidメディアだけでは語りきれないほど多様なコミュニケーション・タッチポイントがあることを考えると、生活者意識・行動の変化の要因を測定することは極めて難解です。
本研究では、消費者行動論や行動経済学を参考にしながら、検証調査を踏まえてフレームワークを独自に研究開発し、いわゆる“メディア”に限らない、多様なタッチポイントの効果測定技術を開発検討しています。
併せて、リーチについても、昨今重要視されているAttentionを考慮し計測手法を研究しています。

空間コンピューターが普及すると、やがては広域屋外空間にも情報インフラが配備され、生活者が都市空間から必要な情報を読み出すことが可能になると考えられます。本研究では、来る時代の都市情報インフラが提供する機能の１つとして、その地域に住む生活者同士のコミュニティ形成に役立つ機能があると考え、その体験のあり方や効果について研究をしています。

実空間とサイバー空間の融合による“次世代体験産業”の誕生が期待される一方、そうした新たな体験を安全に利用するためのガイドラインの整備、より良い体験に改善するための効果計測・評価方法・デザイン手法等、産業を下支えするナレッジはまだ体系立って整理されていません。そこで産総研コンソーシアム「拡張体験デザイン協会」の設立・運営に従事し、体験の“良さ”を測る方法論や標準化に向けた研究を産学官連携で進めています。

VR、AR、MRを活用した体験において、空間間の遷移は体験者の認知的負荷を増加させ、遷移後の空間での体験の質に負の影響を与える可能性があります。この問題を解決するため、空間遷移の認知的負荷を低減する遷移体験のデザインの研究や、遷移後の体験に与える影響について探求をしています。

CONOOTO技術研究では営業活動、特に“商談を最適化”するための技術に力を入れています。具体的には商談音声を、録音した音声を話者毎に分けて解析し、解析した音声を元に商談を評価・要約することで、商談を可視化し商談における課題を科学的に解決することを目指しています。

デジタル環境の変化により、生活者の情報選択・購買・消費行動とともに、テクノロジーの進化によって、企業の行うデジタルマーケティングも日々変化しています。一方で、長期的な視点に立った企業と生活者との絆づくりである「ブランド／ブランディング」はどうでしょうか？デジタル時代において、改めてブランド／ブランディングとはどうあるべきなのか──そんな問題意識からスタートした本プロジェクトは、マーケティング、消費者行動論、社会心理学などに精通した研究者らとともに、産学連携で学際的に研究を進めています。

プライバシー保護の重要性が増している社会潮流の中で、プライバシーに配慮したデータマーケティングを実現するためのプライバシーテックの重要性が高まっています。元データの特徴を再現した擬似データである合成データは、データの補完や拡張への活用が期待されています。本研究では合成データの生成手法や評価指標について検討しています。

マーケティング戦略を検討する上で、市場の構造把握が不可欠です。
本研究で構築したアルゴリズムにより、購買データと意識調査データをかけ合わせたアクチュアルな生活者動向を把握することが可能です。さらに本結果から、各ブランドの課題とポテンシャルをプロファイリングし、確度の高いマーケティング戦略を立案することが可能となります。
本研究では、クラスタリングおよび最適化処理、生成AI技術を組み合わせることで上記業務の自動化/高度化を実現しました。

本研究では、演繹的な感情評価手法として、近年注目を集めている「自由エネルギー原理」を活用し、広告クリエイティブ素材（CM等）から喚起される感情評価手法の確立を目指しています。動画CMが含む多様な広告表現から生活者の感情を演繹的にシミュレーションする方法論を確立することで、試作段階のCMに対する低コストでの感情評価を実現し、それによる、広告クリエイティブ制作のPDCAサイクルの高速化を目指しています。

量子技術は、中長期的に社会を大きく変革させる可能性を秘めた技術です。この量子技術を、将来的に広告およびマーケティング領域の諸課題にどのように応用していくことが有益かを明らかにすることを目的とし、計算機としての量子コンピュータの可能性、計測装置としての量子センシングの可能性、暗号・通信としての量子暗号・通信の可能性を明らかにするための探索研究を推進しています。

消費者行動研究や行動経済学の中では、プロスペクト理論、ハロー効果、バンドワゴン効果等、生活者には様々な意識・行動バイアスが潜んでいる可能性が示唆されています。この生活者に内在する意識・行動バイアスを取り組んだマーケティングモデルの開発を実現することで、生活者理解や市場理解の高忠実化を目指しています。

現代の情報交換は、主に、SNS等のネットワーク上で実施され、このSNS上の情報交換によって創り出される消費者間の相互作用は、消費者行動／市場反応に大きな影響を与えている。本研究では、SNS上のつながりがもたらす投稿行動によって変化する消費者行動や市場反応を説明可能な統計モデルの構築を目指しています。

ジオターゲティング広告の普及が進む中、その付加価値をさらに向上させることが重要となっています。本研究では、大規模な移動履歴データを活用し、移動習慣に基づくPOI（興味地点）の予測に加え、生活者の幸福度向上を考慮した推薦手法の確立を目指します。この研究を通じて、生活者の理解を深め、ジオターゲティング広告の最適化を実現することを目指します。

生活者データの統計分析は施策立案に不可欠ですが、たとえ優れたマーケターであっても、データから因果関係を導き出すのは至難の業です。そこで我々は、観察データから因果関係を推定する因果探索という統計的アプローチに注目しています。しかし、従来の因果探索手法の多くは厳密に整備されたデータを前提としており、ノイズや欠測、バイアスなどが複合的に存在する生活者データにそのまま適用することは困難です。このプロジェクトでは、生活者データ特有の課題に対応できるよう、従来の因果探索手法を拡張・深化させ、最終的に施策立案に資する洞察を得ることを目指しています。

マーケティングにおいて施策の効果検証は重要です。一般に、クーポンや広告配信等の施策効果は、施策を受ける個人により異なるという異質性が存在します。異質性を表現可能な手法には、階層ベイズモデルと反実仮想機械学習の大きく2つが存在します。本研究では、解釈性の高い階層ベイズモデルと表現力や推定精度の高い反実仮想機械学習を組み合わせ、解釈性と精度両方を持つハイブリッドな手法の開発を目指しています。

小売店の商品のクーポン配信などの施策において、生活者にパーソナライズした探索購買とリピート購買を支援することは重要です。本研究では、深層学習ベースの時系列モデルを用いて、同時購買と購買間隔パターンといった細かな生活者の行動パターンを取り入れたバスケット推薦モデルを開発しています。

同じ広告を見た場合でも、その広告効果は、個人の持つ嗜好や価値観等の感性情報によって異なります。本プロジェクトでは、「感性情報学」のアプローチを用いることで、個人の感性を組み込んだ広告効果の柔軟なモデリング研究を行なっております。個人の持つ理想印象や価値観と広告クリエイティブの関係を理解することで、最終的に動画制作・企画やクリエイティブ支援ツールの開発を行うことを目指しています。

マーケティング分析においては、ID-POSデータのようなミクロ（個人）レベルのデータから、全体の売り上げやマーケットシェアのようなマクロ（集計）レベルのデータまで、分析に用いるデータの集計粒度は実に様々に存在しています。こういった異なる粒度のデータを別々に分析することなく同時に分析する技術基盤を獲得することは、ミクロ（個人）レベルで発生した消費者行動がもたらすマクロレベルの効果（シェア獲得や売上拡大等）のメカニズム解明／予測を目指しています。

インターネット広告が生まれて約30年が経ち、いまやマス広告と比肩する規模に成長しました。生活者のデータを活用したインターネット広告は、ひとりひとりの嗜好や興味に応じたきめ細かい情報が届けられる一方で、様々な社会的問題の原因ともされており、世界各国で法規制が強化されつつあります。このプロジェクトではそうした規制の底流を見据え、あるべき広告のあり方を探る活動をしています。

EUや中国ではインターネット広告に生活者データを使う際には、本人から「きちんとした」同意を得る必要があります。「きちんとした」同意であるためには、生活者は自分のデータが誰にどのように扱われるかを把握していなければなりません。その把握をしていただくためにはどんなインタフェースが有効なのかを探っています。

新規に開発した意思決定モデルの性能を、手元のログデータのみに基づいて統計的に推定する「オフ方策評価（OPE）」が近年注目されています。新規モデルの性能をOPEにより正確に推定できれば、リスク・コスト・時間などの観点で実施のハードルが高いA/Bテストを行わずとも、迅速かつ安全なモデル改善が期待できます。本プロジェクトでは、OPEを適用する上で障壁となるいくつかの技術的課題の解決に向けた手法の研究に取り組んでいます。

現在社会では、情報量が爆発的に増加し、生活者が膨大な情報から必要なものを正しく取捨選択することは困難です。近年、生活者の情報空間の理解促進や情報を検討する力の獲得で情報を判断する能力を高め、情報空間の諸問題に対し免疫を作る「情報的健康」という概念に注目が集まっています。広告代理店の視点から情報空間を俯瞰し情報受発信者双方の相互作用から「情報的健康」を定義することで、各主体が情報的健康の達成にどう貢献できるかを具体的なアクションに落とし込み、それらの指標構築を通して情報的健康の社会実装を目指します。

地理空間情報とマーケティングモデル（例：MMM）を掛け合わせ、新たな研究領域を開拓しています。従来のモデルでは、地域・店舗間の空間的自己相関性が十分に考慮されておらず、推定バイアスや未知の地域・店舗に対する内挿精度に改善の余地があります。
そこで、空間統計学の知見を援用し、空間的自己相関性を考慮した形で統計モデルを構築しています。これにより従来の課題を解決し、マイクロエリアマーケティングに資する新たな示唆を得ることを目指しています。